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2010年07月22日

エレキギターにまつわる神話は崩壊するか?

今日は昔から思ってる、
「コレって神話的なモンとちゃうん?」
って事について書いてみようと思います。

まずはボディの鳴りについて。
この場合、実際にはネックも含めての鳴りについてです。

よく、
「ソリッドボディのギターでも、ボディが鳴るのは良いギター、鳴らないのは悪いギター」
みたいな記述を目にする事があります。

ところが、エレキギターのピックアップは構造的に木の振動を拾いません。
磁気に影響を与えるモノの振動しか拾わないんです。
弦をミュートした状態で実際にボディをコンコンたたいてみると、極わずかに音を拾いますが、コレはボディが振動した時にピックアップもわずかに振動するので拾ってるだけだと思います。
ギンギンに歪ませた状態でコンコンたたくと、わりと音が聞えますが、ボディそのものを直にたたいてもその程度ですから、弦の振動で拾うボディの音など無視して良い程度でしょう。

ところが、ボディやネックの材質の違うギターに、同じピックアップを取り付けた場合、確かに音は変わるんですね。
コレは、ボディの違いが弦そのものの振動に影響を与えるって事です。

弦の振動エネルギーはボディやネックに伝わり、ボディやネックを振動させる、つまりボディやネックを振動させるために振動エネルギーを使い、弦の振動は減衰します。
だから、単純に言えば、ボディの鳴りが大きいギターほどサスティーンは悪くなるって事です。

極端な例をあげればフルアコースティックのエレキギターとスルーネックでソリッドボディーのエレキギターを比べれば、当然フルアコはボディの鳴りが大きくサスティーンは悪い、スルーネックはその逆です。
(同じソリッドボディでも、セットネックやデタッチャブルネックと比較してスルーネックはボディが鳴らない傾向にある、と言うか、この場合はネックが鳴らないんでしょうね)

ですから、
「ボディが鳴らない」
と云う事は言い換えると
「弦の鳴りを殺さない」
とも言える訳です。

ただ、例外があります。
ボディ鳴りが悪く、弦の鳴りも殺してしまうギターが。
例えば、ボディやネックが湿ってしまっているギター。
コレは弦の振動がボディーに伝わるのに、そのエネルギーは吸収される一方で、ボディやネックも鳴らない。
ボディやネックが鳴らなければ、その振動がまた弦にフィードバックされる事も無い。
コレはどう見ても良い所は無いでしょう。

では、
「ボディが鳴らないギターの方が基本的にサスティーンが良いのだから良いのか?」
って事になりますが、音質が硬い傾向があります。

弦の振動エネルギーは低い振動程大きく高い音程小さくなります。
ですので、ボディ鳴りの大きいギターは高域倍音成分が減衰するのが早くなるため、マイルドな音に、ボディー鳴りの小さいギターは硬い金属的な音になり易くなる訳です。

なので、この辺のバランスの好み(つまり音質の好み)がギター選びのポイントになる訳で決して、
「ボディー鳴りが良いから良いギター」
でも、
「サスティーンが良いから良いギター」
でも無い訳です。

そして、エレキギターは、
「アンプを通してナンボ」
のモンですから、ボディー鳴りは一つの目安でしかありません。

ただ、将来的にコノ基準が変わってくるかも知れない、エレクトリック・ギターの革命が起こるかも知れないと私は思っています。

ソレは、私も愛用している Roland の VG-99 や LINE6 のデジタル・モデリング・ギターの様にギターのモデリングと云う技術が進歩した事にあります。

VG-99
http://www.youtube.com/watch?v=Can2rajQO_Q&feature=related

LINE6 のデジタル・モデリング・ギター
http://jp.line6.com/variax/sounds.html

こうなってくると、1本のギターでレスポール、ストラトはモチロン、フォークギター、クラシックギター、シタール、ベースなどの音さえ出てしまいます。

この2つは VG-99 がデバイデッド・ピックアップ、LINE6 がピエゾ・ピックアップと方式は違うものの、どちらも一番ブリッジ寄りの倍音を多く含んだ(つまりキンキンの)音を拾って、ソフトウエアで音質音色をモデリングしているって事になります。

この延長で考えれば、ボディの鳴りをとことん無視してサスティーンだけを追求したギターを作ってしまってもソフトウェアで音色音質をコントロールしてアコースティックな音からソリッドな音までモデリングする事が技術的には既に可能なレベルに有るって事になります。

更に、
「音色はアコースティック的なのにサスティーンはソリッドボディー並みの音」
なんて事も出来るハズだと思うんですね。

また、コレはギターにまつわるもう1つの神話、ヴィンテージ神話の崩壊にも繋がるんじゃないでしょうか?

私がギターを始めた35年前から今日に至るまで、
「ヴィンテージギターは良い音がする」
と云う神話は生き続けています。

果たしてヴィンテージギターは本当に優れているんでしょうか?

私は、ヴィンテージが良い音がする理由は、
「ヴィンテージが優れているからではなく、
 ヴィンテージを基準にアンプやエフェクターが開発、進化を遂げた結果、
 ヴィンテージが良い音がする様になっただけではないのか?」
と思っています。

少なくとも、ギターのモデリングだけでなく、アンプのモデリングも出来る様になった現在、あまりヴィンテージの持つ意味は無くなって来たのではないかと思います。
モチロン、骨董価値は有るでしょうが。

ギターの素材が、「ボディ鳴り」を意識したモノであった時代から、
 弦振動を殺さない事(サスティーン)
 プレイヤビリティ(弾き易さや重さ)
 デザイン性(工芸品的な美しさを含む)
に絞られる時代への土台は揃っています。

今まで何度も現れながら、主流とは成り得なかった、
「木材以外の素材で作られたギター」
が主役になり得るチャンスが到来したんじゃないでしょうか?

ソリッドギターが生まれたと同じ、またはそれ以上の革命が起こっても不思議ではありません。


posted by 浦太 at 11:24| Comment(3) | TrackBack(0) | モデリングギター関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白いお話ですね.
実はワタクシ,音響学・振動学が専門でして...
先生のおっしゃるとおり,言の振動はボディの振動と「連成」した結果であり,ソリッドのエレキギターの音色がボディの材質などによって変化するのは,ボディによって弦の振動が変化するためです.
また,ボディから音が放射されるセミアコやフルアコの場合は,放射される音エネルギーというカタチで振動エネルギーの一部が失われ,結果として弦の振動の減衰が早くなります.

なお,「低い音ほどエネルギーが大きい」とおっしゃるのは,基本振動がもっとも大きく,高い倍音(倍振動)ほどエネルギーが小さい場合(弦の振動は一般的にそうですが,管楽器では一般論ではありません)には正しいです.ただし,常に低い音のほうがエネルギーが大きいと思っている人がいますが,一般論ではないです.振幅が同じであれば,単位時間当たりの音としてのエネルギーは同じになりますね.

これは音としての性質の話でして,弦楽器の特質としては,質量の大きい低音弦のほうが一般に振幅が大きくエネルギーも大きくなる傾向があるので,おっしゃることは弦楽器には完全に当てはまりますが.
Posted by メタボインドカレー at 2010年12月07日 15:21
>メタボインドカレーさん
なるほど、流石に専門の方の説明は説得力があります!!

平たく言うと、弦楽器の場合は、
弦そのものの質量が低音弦の方が大きいために私が書いた様な事になるけれど、
管楽器だと音の高さがリードや唇の質量が変化する訳ではないから話が変わってくる、
そう云う理解で宜しいでしょうか?
Posted by 浦太 at 2010年12月07日 17:15
>しんちゃんさん
このブログの最初に赤い文字で書いております様に、
「ご自分と無関係のアドレスを入力された場合、
 内容にかかわらず削除」
させて頂いております。

しんちゃんさんの書かれた内容に関しては、
真面目なご意見を頂戴したと感じておりますが、
中には無責任な内容を書かれる方もいらっしゃるので、
「ホームページ欄」は必須、
ご自分のホームページやツイッターアドレス、
ブログアドレス等に限らせて頂いております。

申し訳ございませんが、ご了承ください。

尚、頂いたコメントについて少しお答えさせて頂きますと、
VG-99やGR-55のモデリング部分は決してボディー振動の影響を受けないものでは有りません。

ですので、例えばしんちゃんさんが所有しておられるエピフォンの様にサスティーンの途中から音色が変化するギターにGK-3を取り付けてVG-99で鳴らした場合も、やはりサスティーンの途中から音色は変化する筈です。

サンプリングでは無いので、ギターの特性はそのまま出るので、その点は勘違いされている(私の記事の書き方も良くなかったのでしょうが)のではないかと思います。

その辺りは、こちらの記事で、私が所有している2本のギター(どちらもGK-3を取り付けています)で比較音源を載せておりますので、参考にして頂ければ幸いです。
http://dtmurashima.seesaa.net/article/187504373.html
どちらもソリッドボディのギターなので、違いは大きく有りませんが、それでも違うことは分かって頂けると思います。
Posted by 浦太 at 2011年12月01日 13:41
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